ビーンロック(豆の循環停止)
Kaffelogic は「遷移流動化(transitional fluidisation)」方式のロースターです。多くのプロファイルは、ごくわずかな風量で、豆が流動化するかしないかの境目を狙って焙煎します。豆をきれいに循環させるには、豆の量・密度・大きさ・風量のあいだに繊細なバランスが必要です。
焙煎中に風量が不足すると、豆が循環しなくなります。これが bean lock(ビーンロック) です。ある産地の豆では起きなくても、密度や粒径の違う別の豆では起きる、ということがあります。チャフコレクター内のチャフ量も風の通りに影響するため、焙煎ごとにチャフを空にしないとビーンロックの原因になります。
ビーンロックの4つのタイプ
1. Initial bean lock(開始時のロック)
焙煎の最初から豆がうまく循環しない状態です。焙煎を始める前にファンプレビュー(Fan preview)で循環を確認し、弱ければ調整してから焙煎してください。バッチサイズや豆を変えるたびにファンプレビューで循環を確認することを、ベストプラクティスとしておすすめします。
initial bean lock のまま焙煎を始めると、たいてい焙煎ムラになります。一部の豆だけが過剰に加熱され、190〜200℃で早期にクラックします。仕上がりを見ると、茶色い豆の中に十数粒だけ真っ黒な豆が混じる、という状態になります。
2. Early bean lock(前半でのロック)
ファンプレビューでは問題なく見えても、焙煎が進んで豆が膨らむにつれて、後からロックすることがあります。150g 以上の投入量や、深煎りで起きやすい現象です。豆がロックすると温度が急上昇し、ログ上で温度が激しく上振れします。
開始後〜160℃ の手前でロックする場合が early bean lock で、ログ上では鋭い温度スパイクとして現れます。
3. Late bean lock(後半でのロック=サーマルランナウェイ)
160℃ を超えてからロックする場合が late bean lock です。ロースターはこれを通常 thermal runaway(サーマルランナウェイ)として検知し、「Thermal runaway, press ⏵ to cool」(サーマルランナウェイ。⏵を押して冷却してください)と表示して停止します。
停止前のログには、激しい温度の上振れが現れます。ごくまれに、豆の塊が発火してサーマルランナウェイに至ることがあり、黒い煙が立ちのぼり、さらにまれに炎が出ることがあります。
その場合は冷却を開始せず、ただちに壁のコンセントでロースターの電源を切り、プラグを抜いて、屋外に出すか、キッチン用消火器を使用してください。 その後、カスタマーサポートにご連絡ください。なお、ほとんどのケースではサーマルランナウェイ後も通常どおり冷却を開始できます。
詳しくはサーマルランナウェイ・サーマルディップもご覧ください。
4. Cooling bean lock(冷却中のロック)
冷却中だけ豆がロックするのが cooling bean lock で、ファンが減速するときに起こります。豆は循環していなくても通常どおり冷えていきます——効果的な冷却に循環は必須ではありません。したがって cooling bean lock は必ずしも問題ではありません。
cooling bean lock は、Kaffelogic Studio の「cooldown lo speed」設定を上げることで、多くの場合は解消できます。
対処法
- キャリブレーション: ファン回転数が正しく較正されているか確認します。豆の循環キャリブレーションを参照してください。
- ファンプレビュー: 焙煎前にFan previewで循環を確認し、弱ければ調整します。
- 投入量を減らす: ファン回転数が正しく較正され、開始時はきちんと循環するのに early/late bean lock が起きる場合は、バッチサイズを減らします。たとえば 120g でロックするなら 100g や 80g を試します。BOOST 使用時は、入力する投入量設定は変えずにこれを行います。
- 投入量設定を上げる: BOOST を使う場合は、入力するバッチサイズの値を上げます。たとえば 120g でロックするなら 140g や 160g と入力し、同じ量の豆により多くの風を送ります。
- カスタムプロファイル: プロファイルを自作する際は、豆がロックする箇所により多くの風が届くようファン速度プロファイルを編集します。cooling bean lock には、プロファイルの「cooldown lo speed」を上げて冷却後半の風量を増やします。
補足
ビーンロックを避けようとすると、チャフに豆が混入しやすくなることがあります。これはチャフに豆が混入するで解説する方法で管理できます。
詳細は Kaffelogic 公式 Wiki もご参照ください。