STUDIOの使い方

STUDIO は、焙煎を"自分のもの"にしていくための道具です。Kaffelogic Nano 7 の焙煎プロファイルを、自由に作り、編集し、管理できます。ここでは、はじめて触る方が迷わないよう、インストールから焙煎、プロファイルづくりまでを順番にご案内します。

1STUDIOとは/必要な人・そうでない人

まず、自分に STUDIO が必要かどうかを知るところから。

STUDIO は、時間・温度・風量といった焙煎のあらゆる要素を自由に設計し、保存・再現できるアプリです。一方で、ロースターに最初から入っている基本プロファイルだけで満足できる場合は、無理に使う必要はありません。「もう一歩、自分の好みに踏み込みたくなったら開く」——それが STUDIO です。

2インストールと起動

ダウンロードして開くまで。

STUDIO は、Kaffelogic 公式サイトのダウンロードページから無料で入手できます。お使いのパソコンに合わせて選んでください。

  • Windows:ダウンロードページの Windows アイコンから入手し、ファイルを実行してインストールします。
  • Mac(macOS):ダウンロードページの macOS アイコンから入手して開きます。
  • Linux:Snapcraft ストア経由でインストールできます。

インストールして起動すると、STUDIO はデフォルトのプロファイルが開いた状態で立ち上がります。新しく作り始めるときは「ファイル > 新規」を選ぶと、そのデフォルトの複製ができます。

3まず、難易度を「基本」にする

これが、はじめての方がいちばん最初にやるべき設定です。

STUDIO には「基本/上級/エキスパート/エンジニア」の4つの難易度があります(メニューの「オプション > 難易度」)。難易度を上げるほど、細かな設定画面が増えていきます。はじめは 「基本」を選んでおくと、画面がすっきりして迷いません。慣れて、もっと細かく調整したくなったら少しずつ上げていきましょう。

4ロースターをつなぐ

STUDIO とロースターの間で、プロファイルやログをやりとりする準備。

Kaffelogic Nano 7 では、STUDIO とロースターを Wi-Fi または ケーブル のどちらかで接続します。どちらの方法でも、つながればプロファイルの転送や焙煎ログの取得が STUDIO からできるようになります。

  • Wi-Fi でつなぐ:メニューの「ツール > 接続ツール > Wi-Fi モジュールをスキャン」から接続します。見つからないときは「再接続」を試します。
  • ケーブルでつなぐ:ケーブルでパソコンとロースターを直接つなぎます。

5自分のオリジナルプロファイルを設計する

STUDIO の真骨頂。焙煎 → 記録 → 照合 → 調整 をくり返して、自分の一本に育てていきます。

はじめは、カフェロジックの基準プロファイル KL Explorer(幅広い豆に対応するオールラウンドな標準プロファイル)を出発点にします。これを焙煎し、記録し、計画と見比べ、少しずつ調整する——このくり返しが、プロファイル設計です。

STEP 1|まず焙煎してみる

KL Explorer を、好みの焙煎レベル(浅 1.5–2.0/中 2.5–3.5/深 4.0〜)に設定し、100〜120g で焙煎します。レベルは焙煎中でも +/− で調整できます。

STEP 2|焙煎しながら記録する

焙煎しながら、2つのタイミングを記録します。色変色≡ → − → ▶)と 1ハゼ≡ → ▶)。この記録が、あとで計画と実際を見比べる材料になります。

STEP 3|自分の焙煎ログを確認する

焙煎し終えたら、STUDIO で自分の焙煎ログ(.klog)を開きます。

STEP 4|「計画」と「実績」を照合する

グラフ上で、計画と実際を見比べます。左の黄色い線=予測の色変色右の黄色い線=予測の1ハゼ、そして三角マーカー=実際に記録したタイミングです。計画どおりだったか、どれくらいずれたかを確認します。

STEP 5|DTR を確認する

1ハゼのタイミングから、DTR(デベロップメント比=1ハゼ後が焙煎全体に占める割合)が何%で終わったかを確認します。目安は 浅 15–18%/中 18–22%/深 22%〜。これが焙煎の深さの指標になります。

STEP 6|試飲して、曲線を調整する

実際に試飲して、設計図(プロファイル曲線)を少しずつ調整します。考え方はシンプルで——曲線を下げれば"遅く"、上げれば"早く"

  • 序盤の点を下にドラッグすると、その時間帯の目標温度が下がり、豆をゆっくり温める設計になります。すると色変色に届くのが遅くなり、予測の色変色(左の黄線)が後ろにずれます。色変色が遅れると、続く1ハゼも後ろにずれます
  • 中盤の曲線の上げ方を変えると、色変色〜1ハゼの間隔を調整できます。
  • 最後に、デベロップメント(1ハゼ後)の長さ=DTRで、焙煎の深さを決めます。

あとは、実績(三角マーカー)と試飲の感想を見ながら、計画を自分の好みへ少しずつ寄せていくだけです。曲線を動かす具体的な操作は、次の「プロファイルを作る・調整する」もご覧ください。

最初から完璧を目指す必要はありません。少しずつ調整して、自分の好みに近づけていく——その過程こそが、いちばん楽しいところです。

6焙煎中の画面を読む

グラフが何を表しているかが分かると、焙煎が一気に面白くなります。

画面には、温度の曲線、上昇率(RoR=1分あたり何℃上がっているか)、そして赤いマーカーが表示されます。赤いマーカーは「焙煎を終える推奨ポイント」で、選んだ推奨レベルによって決まります(読み込み時に設定され、あとから自由に変えられます)。また、左右の黄色い縦線は予測の色変色(左)と予測の1ハゼ(右)を、三角マーカーは実際に記録したタイミングを表します。右側のパネルには、予想される1ハゼの温度・時間や、デベロップメント(焙煎後半の伸び)も表示されます。

7プロファイルを作る・調整する

曲線を動かすときの、具体的な操作。

新しく作るときは「ファイル > 新規」から始めます。プロファイルのグラフ上の青い点を、マウスでドラッグするか、画面左下のボックスに直接数値を入力して動かします。ゼロから作ることもできますが、まずは既存のプロファイルの点を少し動かしてみるのが簡単です。曲線をなめらかにしたいときは「スムーズポイント」を使い、微調整したいときだけ黄色のハンドルを動かします。うまくいかなくなったら「元に戻す」で戻せます。

8作ったプロファイルをロースターへ送る/ログを管理する

STUDIO で用意したプロファイルを、ロースター本体に同期する手順です。

あらかじめ「ロースターをつなぐ」(Wi-Fi またはケーブル接続)を済ませておきます。準備ができたら、STUDIO で作った(または編集した)プロファイルは、次の手順でロースター本体(Nano 7)へ送れます。

  1. STUDIO で、送りたいプロファイルを開きます。
  2. 画面右下の「焙煎機 に保存」ボタンを押します(プロファイルが焙煎機の同期フォルダに保存されます)。
  3. 続けて、そのとなりにある同期ボタン(指とグラフのマーク)を押すと、ロースター本体に同期(転送)されます。

公式サイトからダウンロードしたプロファイルを入れる場合

ダウンロードしたプロファイルは、次の手順で取り込めます。ファイルを解凍する →「焙煎機を表示」を開く → プロファイルタブ →「プロファイルを追加」→ 取り込むファイルを選んで開く。

なお、ツールバーの「焙煎機を表示」を開くと、ロースター内のプロファイルや焙煎ログ(.klog)を一覧で確認でき、追加・コピー・名前変更や、焙煎ログの取り出しができます。

9焙煎した一杯を記録する

焙煎は「記録」でうまくなります。

ログを表示しているときに「このファイルについて」タブへ切り替えると、日付・豆の産地・バッチ重量・テイスティングノートなどを書き込めます。気に入った焙煎ログは「ファイル > ログからプロファイルを抽出」で再現用のプロファイルに変換し、保存してロースターに読み込めます。

10うまくいかないとき

困ったら、ここから。

接続がうまくいかない、表示がおかしい——そんなときは、まずサポートセンターの逆引きをご覧ください。